まちづくり会社の役割
丹波市と大津市の中心市街地活性化に関わっています。
それぞれ人口はざっと7万人と30万人。
丹波市の中心市街地は、旧柏原町(人口1万人程度)のまちなか。
大津市の中心市街地は、旧の港町と宿場町です。
旧柏原町では、平成12年に株式会社まちづくり柏原を立ち上げて、
小ぶりなテナントミックスを中心に活性化を進めています。
大津市では、この春に、まちづくり大津が整備した「なぎさのテラス」が
オープンしました。
まちづくり会社は、建物を整備してテナントに入ってもらうわけですが、
この2つの会社のテナント料の違いに地域経済の現状、格差が歴然と出ます。
大津市では、坪8,000円程度のテナント料が設定できるのに対して、
旧柏原町では、坪単価にすると2,000円程度になってしまいます。
整備する坪当たりの金額はほとんど変わらないので、
旧柏原町でのテナントミックス事業の方が事業性において困難です。
そのためまちづくり柏原は、テナントミックス事業によって
大きな利益がでることはありません。
しかし、まちづくり柏原が事業に取り組まなければ、地域はますます衰退
し続けることになってしまいます。
投資をする人も、投資を呼び込もうと仕掛ける人もいないからです。
そこで、収益はあまり生まないけれども、赤字を出さないように社会性のある
事業を進めることが必要になってきます。まさに、ソーシャルビジネスです。
まちづくり大津も同様ですが、まちづくり柏原の役員は全員無償です。
株主は地域住民と商業者で、配当を目当てに出資しているわけではありません。
このような社会的な会社だからこそ、利益を目的にすることなく、
地域を元気づける事業を展開できる可能性があると考えています。