中心市街地の衰退と商業の新陳代謝

経済の発展が、クレイトン・クリステンセンの言う「破壊的イノベーション」によって突き動かされてきたとするならば、中心市街地の経済が衰退しているのは、現状を打開するようなイノベーションが生まれてこないからということになります。


だとすれば、イノベーションが生まれる土壌をいかにつくるかが、衰退地再生のキーファクターになりそうです。


クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」では、既に成功している企業やバリューネットワークが、新しくて荒削りで、一見して現市場のニーズにあっていないような商品やサービスを生み出す小さな企業に、いつの間にか打ち負かされるという事例をいくつか紹介しています。


中心市街地の商店街は、モータリゼーションによって形成された新しい商業形態(ロードサイド型の大型店舗やSC)にいつの間にか取って変わられたのでしょう。


既存商業地が衰退しているのは、単にモータリゼーションが原因ではなく、そこに新しいイノベーションを起こした企業家がいたからこそ、現在の状況があるのです。


ならば衰退する地域でしなければならないのは、現在の郊外型店舗を打ち負かすような、商業の新陳代謝を機能させること、つまり、新しい商品やサービスを展開できる企業家を如何にして発掘して、育成していけるのかにかかっています。


最近、所謂マルシェや市(イチ)流行りです。衰退地の再生のためであるならば、定期的に集客のできる場所を作って、出店者の商品やサービスにお得意さんがつくようにするのは、実店舗への出店に向けてよいステップだと思います。


それらもイベントに終わるのではなく、新しい企業家を発掘していくためのフォローアップを考えていくことが必要だと思います。


以前、砂漠に水を一滴垂らすような、空き店舗を使ったチャレンジショップが流行っていて、しかも多分大量の補助金が投入されただろうなぁ・・・・それって何をしたいのか全く意味不明でしたが・・・・二の舞にならぬように。