『温暖化地獄 ver.2』
山本良一著。
『偽善エコロジー』や『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』シリーズを読んで
地球温暖化の問題を少し色んな角度から知りたいと思っていたので買ってみました。
著者のことは全く知らなかったのですが、オドロオドロシイ表紙から伺える様子が
武田邦彦さんの主張とは対照的。
温暖化地獄、タイトルからして恐怖を感じます。
本書と武田邦彦さんの著書で一致している点は、温暖化は人為的であるということ。
二酸化炭素の排出量(2005年 PDF)は国別では、
・アメリカ 21.4%
・中国 18.8%
・EU 12.0%(旧15カ国)
・ロシア 5.7%
・日本 4.5%
・インド 4.2%
と続きます。
ということは、日本のチームマイナス6%って、結局4.5%×−6.0%なので、
本当に温暖化を防止したいのであれば、ほとんど意味の無いことです。
それよりも、世界の排出量の半分を占めるアメリカ、中国、EUに
二酸化炭素をなるべく排出しないよう、どうにかしてもらうように技術移転等を
考える方がまともだと思います。
環境省はチームマイナス6%に相当のお金を使っているようですが、
お金を使うということは、それだけ生産活動があるということで、
二酸化炭素を出しているということです。
しかも、その効果はほとんど無い。なんだか悲しくさえなります。
さて、本書では「ティッピングポイント」に焦点を当てています。
ティッピングポイントとは、
「ほんのわずかな温室効果ガスの濃度の上昇や地球表面温度の増加によって、
地球気候のサブシステムが急激に状態変化をすること」
だそうです。
そこで、ティッピングポイントを引き起こすだろう
「地球に影響を及ぼす八つのティッピングエレメンツ」を上げています。
①北極海氷の消滅
②グリーンランド氷床の融解
③世界の森林の三分の一を占める北方林の枯渇
④西南極大陸氷床の崩壊
⑤アマゾン熱帯雨林の枯死
⑥西アフリカのモンスーンの移動
⑦南太平洋気候振動の変化(エルニーニョ南方振動)
⑧大西洋熱塩循環
そして、武田邦彦さんの著書では環境問題とは言えない
と主張されている温暖化も、次のように書かれています。
「地球表面の温度が2℃あるいは3℃上昇すると世界で何が起きるのか」
・大規模な極氷床の分離
・15〜40%の動物や植物の絶滅
・危険な海洋酸性化
・相当量のツンドラの消失
・メタン放出量の増大
・アフリカ、オーストラリア、ヨーロッパの地中海、米国西部での干ばつと砂漠化
・29のアフリカ諸国で食糧不足
仮にこのようなことが起こってしまうのであれば、アメリカや中国やEUが
どうすれば二酸化炭素を減らすことができるのかを真剣に考える必要があります。
僕はクルマは所有しない主義ですし、できるだけ省エネで過ごすように
心がけていますが・・・・・
チームマイナス6%って何だろう。