急に売れ始めるにはワケがある マルコム・グラッドウェル

何のフットノートからこの本だったのか記憶にありませんが。
記憶に留めるためにメモ。


ティッピング・ポイント
あるアイディアや流行もしくは社会的行動が、敷居を越えて一気に流れだし、野火のように広がる劇的瞬間のこと。


世の中で流行になっているそれぞれの現象には、ティッピング・ポイントに達する理由がそれぞれ具体にあるのだろうけれど、その理由を3つに絞り込んで説明しているところが分かりやすいです。本書では「ティッピング・ポイントへ至る指針」と書かれています。


その3つとは。


1.感染をスタートさせる特別な人々
 20対80の法則というのは、有名ですが、そうではなく、少数の特定の人から感染がスタート。
 その特定の人とは、人と人をつなげる能力を持つコネクター、情報収集能力の高さと、とにかく人に伝えたいメイヴン、説得が上手なセールスマンという3種類の特別な人々で、2割ではなくもっと少数が主原因で感染が始まるという。ここで面白かったのはセールスマンは意図的でなくても、その人の持つ能力として説得できるというところ。その人と一緒にいるとその空気感に飲み込まれそうな感じ。


2.粘りの要素
 その情報が広まっていくには、単純かつ記憶に残りやすい、しかも誰もが頷かざるをえない工夫が必要。これはイノベーションの普及理論(エベレット・ロジャース)でも良く言われることだけれど、とにかく人が受け入れやすい単純なものが良い。


3.背景の力
 感染が始まるのは、人だけではなくて、特殊な状況や環境からも始まる。「割れた窓」理論。割れた窓を放置しておくと、徐々に周辺も含めた治安が悪くなってくる。ゴミが溜まっていると、そこにどんどんゴミが溜まってくる。人の意識は、その場の状態や環境によって変化させられる。


いま伊賀上野で広報PRの話をしています。地域の資源は無限にあるわけではないので、人やお金も含めてどこを攻めれば状況を変化させることができるのか、そのためには、何を選んで、何を捨てるのか、特に何をしないことによって、選んだものに資源を集中させることが重要だという話をしていました。


衰退しつつある地域を再生させるための第一歩は、ティッピング・ポイントがどこであるのかを見定めて戦略を組み立てることだと思います。


その後は実行しつつ、状況にあわせて(瓢箪から駒的なことも含め)柔軟に対応できるように心構えを持つ。


コンセプトと戦略を練り上げていれば柔軟な対応もしやすい。
それが無いのは単なるまぐれ、脳天気で当てずっぽうだろうからね。