中心市街地活性化の肝=エリアマネジメント(タウンマネジメント)

エリアマネジメント(タウンマネジメント)が大切だということは、中心市街地活性化ではよく言われていること。


しかし、日本の地方都市で神戸新開地以外に、戦略に基づいたエリアマネジメントができていた地域が日本にあるのだろうか?タウンマネージャなんてなおさら、そんな事をできている人はいるのだろうか?


エリアマネジメントというのは、単なる事業ではないしイベントでもないのは共通の理解だと思います。


エリアマネジメントとは、地域を再生させるビジョンとストーリーを関係者の一定の合意の下において共有し、マネジメントできる人材と予算がある事。民間、公共ともにソフト、ハード含めマネジメントできること。


だから事業の羅列を推進するのはエリアマネジメントじゃないし、やりたい事業を詰め込んで、各々勝手に動かすのは、エリアマネジメント未満。ただそこから生まれてくる可能性も否定しない(イノベーションは多様性から生まれる)けれど、エリアマネジメントではない。


ほとんどの地域が事業の繰り返しというスパイラルに陥っている気がします。そしてそこに大量の税金がつぎ込まれる。


中心市街地活性化基本計画は、エリアマネジメントを前提とした計画であり、自治体が定める再生のストーリーだと思います(中心市街地活性化法の問題は前回)。しかし国の認定という時代錯誤のため地域独自の意志でつくれないのと、マネジメントの意識がないからこの際やりたい事業の羅列になりがちです。これは行政計画のほとんどにいえることですが、補助金もらえるし、とか。うちの課の事業も入れといて、とか。おらが商店街根性とか。


しかし、そもそも戦略とは、事業を削ぎ落として組み立てることで、優先順位をつけることです(戦いの術を略す)。だから事業の羅列は戦略ではく、地域再生のストーリーとは別物になってしまう。


そもそも計画が事業の羅列なので、その計画をウォッチする協議会も結局最大限できるのは情報共有。それぞれの事業の質に対して真摯に議論出来ない、つまりそれは戦略とはいえない。戦略上に載ったものは主体が違えどもマネジメントできる状態がいる。それが商店街組織でも観光協会でも、会議所や商工会でも、勝手にはさせないような組み立てがいる。


でもそれはできないから、恐らく賢いところは中心市街地活性化基本計画の事業を二つに分けて考える。再生のストーリーに必要な戦略に関わる部分と、認定を取るためだけのエクスキューズや本質に関係のない見栄え的なもの、入れてくれと言うから計画に載せる事業。


そして戦略に関わるものは、マネジメントできるようにしないといけない。予算と人事。経営では当たり前なのに、なぜ街だとできないんだ?関係している人はお偉いさんが多いのだから、自分の組織や会社ではそうしてるはずだと思いたい。


しかしまたそのお偉いさんというのも色々あって、戦略やマネジメントが無くても成長できた時代の人なのかもしれない。頑張ることが一番偉いという錯覚、それは戦略ではなく精神論。


しかし世界は激変しているのだ!そんなに甘くない。