都市の兆しを読む
AIA関西で整理しつつある、衰退傾向にある都市を再生するための手法「シンプルなメソッド」は、まちのファンをつくることが基本。
将来のまちの価値をつくりだすまちの潜在的なファンはだれなのか。
まちのコンテンツを洗い出しながら、コンテンツの切り口を探りつつ、コンテンツとファン候補層を行ったり来たり思考実験をして最初のファン層であるシーダーを設定する。
そんな思考実験を手助けしてくれるのが、都市の兆し。
おっちゃんが集まるおでん屋に、何故か常連になっているOLさん。寂れた商店街に、何故かカフェをオープンする若い夫婦。
まさに彼らがまちの兆し。
まちでの営みのほんの数パーセントに過ぎない彼らの動きを見極めて、それをメインストリームにするのが、僕らが取り組む、人にフォーカスしたまちづくり。
まちのコンテンツは劣化して減少するから、コンテンツを増やすことが最重要。
都市のストックをリノベーションして、新しいコンテンツを増やすことへのリスクをとれればそれでいい。
けれど、日本の多くの中小零細都市では、そのリスクは結構大きく、失敗したら、多くのリソースが損なわれる。
まちの価値を上げることで、まちへの期待値が上がる。そうすればリスクが低下する。
もっと言うと、まちへの期待値さえ上げることができれば、リノベーションによるまちのコンテンツ増加は勝手に動き出す。
歴史が証明する戦略の基本同様、まちづくりだって、戦わずして勝つ方が本当は一番いい。