商店街はなぜ滅びるのか、それは内部に根本的な原因がある

中心市街地活性化で、地域商業の衰退の根本原因が車社会の進展とかロードサイド店が増えたとか、そう考えてるうちは問題を解決できない。


お客さんが来ないのは自分の責任じゃないと思っている、又はそんな事も感じていない商売人、空き部屋があるのはよい借り手が居ないからだと思っている建物所有者。それでもやっていけてるところは、うちは違うと思っているかもしれないけれど、すぐそこにある未来に気付かないと。


湯でガエルって言葉があるように、なかなか気づかない。周囲の言葉に耳を傾けたり、外を見ないと。


企業が商品開発を行うサイクルは参考になる。導入から成長へ、成長から成熟、衰退へ。かならず成長期に次の新しい商品の開発導入をしていく。商業地のサイクルは期間は長いけど同じ事。


成長期に次の展開を考えないといけなかったのに、それができていない。成長期は随分過ぎてもう衰退期。次に成長するためには、地道な、そして戦略的な開発導入が必要。新しいチャレンジを迎え入れる仕組み。


それから新しいチャレンジが生まれるためには、既得権のような今の商売人だけの売り出しのような取り組みでは意味が無い。選手交替を言い渡すための仕組みにしないと。ダメなところはダメと感じてもらえるように。


栄枯盛衰。ダメな商売人まで巻き込んでイベントする必要なんて全く無い。全員参加なんて意味が無い。今ダメなものは退場してもらえるように。税金使って集客して必要の無いものに延命装置をつけてるようなもの。 


いまの衰退商業地は、既得権だから自然淘汰の仕組みが上手く機能していない。しかも衰退期を迎えている場所で新しい事が起こるには、ハードルはめちゃめちゃ高い。


そんな中で新しいチャレンジがどう生まれるのか真剣に考えないと。


だからといって、いっとき流行ったチャレンジショップでは無い。あれはなんだかより一層衰退感を作り出してた。なぜかと言えば新しい顧客を創造できる取り組みになっていないから。空き店舗が埋まったら良い、たんに新しい人が入ったら良いだけになっいる。まさに、手段が目的になっている。


目的は衰退商業地の再生。
そのためには何を目標にどんな手段を使うのか。人や資金のリソースは限られているわけだから、イベントして遊んでる場合じゃないし、空き店舗が埋まらないと悩んでる場合じゃない。


新しいプレーヤーがチャレンジしたくなる状況をつくる。新しいプレーヤーになってくれる人は誰なのか見極める。
 


大阪の枚方で毎月第二日曜に開催している五六市は集客イベントでは無い。新しいプレーヤーを探すために毎月開催している。毎月開催に意味がある。マーケットを使ってマーケットをみせる。この五年間で20店舗の新しいプレーヤーが増えた。


丹波柏原では12年前、投資が行われないまちに一件のイタリア料理店を作った。12年前すぐにつぶれると言われた店は、人口2000人の中心市街地、30席で年間3200万円を売り上げる。


中山間地域で苦労が多いが、この10年で10店舗の新しいチャレンジと7店舗がリニューアル。後継者も帰ってきている。そして、新たに先月からは丹波ハピネスマーケットを開催して、都市との連携と、次なるプレーヤーを探す。


大阪の昭和町では、地域の特徴である長屋再生がすすんでいる。まちの不動産屋さんがひとつひとつ丁寧にコーディネートしている。


その勢いを借りて、商売の第一歩を踏み出したい人を応援するテナントミックスを行った。募集から約2ヶ月で7店舗が決定。もうすぐ全体のホームページもオープンする。教室が主体のお店があるので、毎月第一日曜日を「たっぷり昭南ビル」の日としてすべてのお店を見る事ができる。毎日開いてない商売だってまちに必要なのだ。


一緒に取り組んでいる前述の不動産屋さん、丸順不動産には同じような店を開きたい方からたくさん問い合わせわがある。
大阪の昭和町から西田辺界隈のビルの2階以上が空きだらけにもかかわらずだ。


いま必要な動きはこのようなものなんだと思う。